2011年7月9日土曜日

継承の姫林檎。




7月に入ったとたん、京都の梅雨も明け、真夏のような毎日が続いております。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

今日のアレンジは、お水なしでも置いておけるように、というご依頼。
ドライフラワーなどを使ってお作りしました。
ドライフラワーを使用すると、どうしても秋とか冬の雰囲気になりがち。
なんとか夏らしく仕上げるために、今回は姫リンゴとノイバラで黄緑色をプラス。
こう暑いと、緑のリンゴもすぐに紅く熟してしまいそうで心配ですが。。。
お客様にもとても満足して頂けたので良かった!

不思議な形をした茶色いキノコのようなもの。
それは、以前このブログの『熱意の種』で紹介したバンクシャーの実。
山火事の火の刺激で種子を弾かせるという植物です。

小さな黄緑色の粒が『ノイバラ』。漢字で書くと『野茨』。バラ科の低木。
山などに自生する野バラの実。
こちらも熟すと実は赤色に。
この『ノイバラ』、万葉集にも登場しており、
その時代は『ウマラ』と呼ばれていたそうです。
その『マラ』が、現代の『バラ』の名前の由来。

写真下の方に見えるのが『姫リンゴ』。
『姫リンゴ』を含むリンゴもじつはバラ科の植物。

他にもバラ科の植物には、身近な花がたくさんあります。
サクラとか、イチゴとか。
だからノイバラも姫リンゴも、サクラやイチゴも咲かせる花が似ています。
属が違うから違うように見えるけど、元を辿れば同じ科の種で親戚です。


『姫リンゴ』は盆栽用に栽培される品種。
以前、私も盆栽をやってみたくて、祖父に教えてもらっていました。
でも、教わり始めて間もなく、祖父は入院、その後他界しました。
盆栽名人だった祖父が、毎年盆栽の姫リンゴをたわわに実らせていたのを思い出します。
まだまだ教えてほしいことがたくさんあったけど。
祖父からもらった盆栽の本は今でも大事にしています。

祖父は盆栽、私は切り花。
属は違えど、辿れば同じ。
植物を愛でる心は、祖父から受け継いだのだと思います。

祖父が残した最高級の盆栽を。
初心者の私にはどうすることもできなかった悔しさを思い出して。
いつかまた、本気で盆栽をしようと思った時に、
あの本を開いてみようと思います。

今、自分がやるべきことを一生懸命やってから。






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