花の無い果実。
『無花果』と書いて『イチジク』。
花は無いように見えて、じつはあるんです。
幹の先に付いた若いイチジクの実に見える、あの中に。
花を外には見せない植物。
実のように見えるものは花嚢と呼ばれる花の袋。
その中にきちんと雄花と雌花があるそうです。
『イチジク』はその花嚢の中に昆虫が住み、受粉させているんだって。
実を付けるためには一番確実なのかもしれません。
だけど、今の栽培品種は昆虫の媒介なしで、雌花だけで果実がなるんだとか。
『イチジク』の葉は、写真の下の葉『ヤツデ』に似ています。
『ヤツデ』より少し小振りなかわいい葉は、
旧約聖書のエデンの園で、アダムとイブが腰に付けてたあの葉っぱ。
裸なことに気付いたアダムとイブが、身に付けたのがなぜ『イチジク』の葉だったのか。
真意は私には分かりませんが、『隠す』ということに掛けてる?とか?
『イチジク』は花を見せない植物だから。
「整いました!」と小さくつぶやく私を許して。
今回のアレンジは、『イチジク』1本と『ヤツデ』1枚で、
究極にシンプルに。
同じ値段で、たくさん花が入ったアレンジは作れるけれど。
同じものはまたとない、この『イチジク』の枝とそれに合う器なら、
私はこちらを選んでしまう。
気付かれなくても、見えなくても。
きっと誰しも。
努力があったり、優しさがあったり。
葛藤があったり、挫折があったり。
なのに誰しも。
私の周りは。
おごること無く、慎ましく。
花を見せずに実を付ける。
無花果の木のように。
そんな方々に敬意を込めて。
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