2011年7月12日火曜日

慎ましき無花果の花。




花の無い果実。
『無花果』と書いて『イチジク』。

花は無いように見えて、じつはあるんです。
幹の先に付いた若いイチジクの実に見える、あの中に。
花を外には見せない植物。

実のように見えるものは花嚢と呼ばれる花の袋。
その中にきちんと雄花と雌花があるそうです。

『イチジク』はその花嚢の中に昆虫が住み、受粉させているんだって。
実を付けるためには一番確実なのかもしれません。
だけど、今の栽培品種は昆虫の媒介なしで、雌花だけで果実がなるんだとか。


『イチジク』の葉は、写真の下の葉『ヤツデ』に似ています。
『ヤツデ』より少し小振りなかわいい葉は、
旧約聖書のエデンの園で、アダムとイブが腰に付けてたあの葉っぱ。
裸なことに気付いたアダムとイブが、身に付けたのがなぜ『イチジク』の葉だったのか。
真意は私には分かりませんが、『隠す』ということに掛けてる?とか?
『イチジク』は花を見せない植物だから。
「整いました!」と小さくつぶやく私を許して。

今回のアレンジは、『イチジク』1本と『ヤツデ』1枚で、
究極にシンプルに。
同じ値段で、たくさん花が入ったアレンジは作れるけれど。
同じものはまたとない、この『イチジク』の枝とそれに合う器なら、
私はこちらを選んでしまう。


気付かれなくても、見えなくても。
きっと誰しも。
努力があったり、優しさがあったり。
葛藤があったり、挫折があったり。

なのに誰しも。
私の周りは。
おごること無く、慎ましく。

花を見せずに実を付ける。

無花果の木のように。

そんな方々に敬意を込めて。






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