立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。
美しい女性を言い表す言葉。
シャクヤクは、ボタン科の多年草。英名はピオニー。
特に一重のシャクヤクはボタンの花によく似ています。
ボタンが「花王」と呼ばれるのに対し、
シャクヤクは花の宰相、「花相」と呼ばれます。
ボタンが樹木であるのに対して、シャクヤクは草であるということが
大きく異なる点です。
八重咲きのシャクヤクは幾重にも花びらが重なり、
その姿は優美で可憐でありながら、貫禄があります。
私も本当に大好きな花。
名前に「薬」と入っている通り、
シャクヤクは昔から、その根が漢方に用いられています。
みなさんご存知の「葛根湯」とかね。
他に、婦人病に効く漢方にも、シャクヤクが用いられているそうです。
もちろん、婦人病の効能がある要薬だからですが、もう一つ。
冒頭の表現、「立てば芍薬」。
この生薬を服用する女性が、
シャクヤクの花のように、晴れやかで美しくなるように。
そんな意味が秘められているんだって。
なんだか、とっても粋です。
シャクヤクのツボミは固く、開き始めるまで時間がかかります。
焦らすに焦らして、咲き始めると、誰もが虜。
ほんのりピンクの色白美人のシャクヤクは、美しく華やかに咲き誇ります。
満開になって、思わず手に取ると。
数百枚もの花びらを一気に落とします。
散るときは、潔く、大胆に。
やっぱりとっても粋な花。
シャクヤクが今、見頃を迎えています。
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