2011年4月24日日曜日

熱意の種。




写真の花は『バンクシア』。
オーストラリアの大地に生きる、ネイティブフラワー。
オーストラリアには25mにもなるバンクシアの大木があるそうです。


バンクシアの花には、赤や黄色、オレンジや緑、丸いフォルムから細長いフォルムなど、
様々な種類があります。どれもインパクトのあるものばかり。
大きな木に、こんな花がたくさん咲いてるなんて。
きっと圧巻。


その花が乾き、朽ちたあとには、『袋果』と呼ばれる、いわゆる果実が現れます。
それは木のような質感で、硬く、中に種子を大切に包み込んでいます。


そして、その硬い袋果がはじかれる時。
それは山火事の時。
山火事の火に刺激を受けて、袋果が裂け、
バンクシアは初めてその種子を解き放ちます。


その時が来るまで、種子を守り続け、山と一緒に燃え尽きる。
それと引き換えに新しい命を残していくのです。
まるで、火が全てを燃やすことを知っているかのように。


オーストラリアで山火事が多い原因の一つに、
ユーカリの木の存在。
コアラが食べる、あの葉っぱ。
ユーカリの葉には、他の植物よりも油分が多く含まれているので、
自然発火すると、一気に燃え広がると聞いたことがあります。


そしてまた、ユーカリの種も、
山火事を経験した後に降る雨によって発芽するとか。


山火事で、自分たちの種が絶滅してしまわないように。
燃え尽きた地に自分の種を残す手段。
その熱意。
たぶん何度も何度も繰り返されて、そうなった。


袋果が守っているのは、種と熱意。
小さな種が、その熱意を受け継ぎ続ける。



きっと今もどこかで。
何もない地面から。
新しい芽が伸び始めているはず。


また一から始めればいい。
何度でも。
熱意を持って。


共存して共鳴する。
神秘的な自然の力。

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