2011年9月28日水曜日

異彩の一粒。




しばらく振りの更新になってしまいました。
9月半ばからバタバタと忙しくしている間に、
すっかり秋も深まって。
日中はまだ暑い日もありますが、風がもう秋ですね。
そして夕焼けがキレイな日が多いです。秋。

紅葉を思わせるような、秋の夕暮れを思い出させるような、
紅色の写真のアレンジ。
友人から、陶芸ギャラリーのオープン祝に、とご注文を頂きました。

深紅のアレンジを引き締めるのは、『ヤマシャクヤク』の実。
左端の黒く艶やかに光る実です。
『ヤマシャクヤク』は、一般的な『シャクヤク』とは違う種ですが、
同じボタン科なので、兄弟くらいの感じです。

一重咲きの白い花は楚々としてかわいらしく、お上品。
でも花が散って実がなると、
赤い中身と黒い種。
グロテスクなほどに強烈に。
小さくっても、端っこでも。
赤い花の中で異彩を放つ『ヤマシャクヤク』。

秋晴れの爽やかな空が夕焼け色に変わった時の
隅っこで光る一番星のように。
それがあるのと無いのとでは、
やっぱり印象が変わるから。
広がる紅色を引き締めて、引っ張って、際立たせる。
その小さな一粒に、いつまでも輝き続けてほしいと思う。
小さいけれど、その力は偉大です。

さて、9月も終わりに近づき、ここでフライング告知。
私、studio2065 は、この度お店を構えることになりました。
石ころ並みの一粒である私ですが、石ころだって輝くんだぜ。を目標に。
毎日準備に取り組んでおります。
詳細は追々UPさせて頂きますので、
どうぞこれからも見守ってやってください。
取り急ぎご報告まで。

今後ともstudio2065をよろしくお願い致します。






2011年9月17日土曜日

秘めた力を存分に。




金平糖のような、星のような、不思議な植物は『カレンボク』。
漢字で書くと『旱蓮木』。
その生命力、繁殖力の強さから、生きる喜びを讃え『喜樹』とも呼ばれています。

この実の成分を抽出して抗がん剤が作られていたこともあるんだとか。
ですが、副作用がきつかったらしく、今は製造されていません。
こんなかわいい実にそんなすごいパワーが秘められているなんて。。。
それだけで、生命力の強さを感じます。
ですが、つまりは毒があるということなので、口に入れたりはしないでくださいね。

かわいいのに毒っ気たっぷりというギャップ。
私の大好きな感じです。

上段のアレンジは、送別会用に。元気が出るようなビタミンカラーで。
摩訶不思議なフルーツバスケットをイメージしてお作りしました。

下段のアレンジは、フワフワしたイメージで、転がりたくなるフラワーフィールド。
美容室「ミラソル」さんに飾られています。

どちらもとても喜んで頂け、何より幸せです。
私の生きる喜び。
ありがとうございました★


オーナメントのような実が。
たくさん実れば実るほど。
溢れる生命力を感じます。

人の心を打つような。
津波に負けずに残った松や、倒れても花を咲かせる桜の木。
アスファルトを突き破って生える大根も(ちょっと古い?)。。。

花や木の、秘めた力を存分に。

凹んだ気持ちも、植物の力に引っ張り上げられて。
元気を取り戻したら、新芽をどんどん伸ばすのみ。

凹んだり、引っ張り上げたりを繰り返し、
芽吹いた新芽は強いはず。
誰かを支え、誰かを木陰で癒せるような。
そんな枝になりますように。

私たちstudio2065も、もうすぐ新芽を芽吹かせます。
今後ともstudio2065をよろしくお願い致します。






2011年9月12日月曜日

中秋の名月。




今日は中秋の名月。
しかも満月。
6年振りだそうです。
ちょうど今、窓からキレイなお月様が見えております。
この時期の月の高さが、お月見するにはちょうどいい角度なんですって。

中秋の名月、十五夜にはお月様が見えるところにススキを飾って、
お団子を食べるのが習わし。
ですが我が家にはネコがいるので、ススキを飾るとお月見どころでは無くなります。
きっとあのユラユラ感がたまらないのでしょうね。
ススキに向かってダイブです、多分。

日本の秋を象徴する植物であるススキですが、
今日のお花はススキではありません。。。

写真右上、レモンのような大きな実。
ナス科の植物、『ツノナス』。
またの名を『フォックスフェイス』。
写真のものはまだ緑ですが、熟してくると黄色になります。
黄色くとがったフォルムはまさにキツネの顔みたい。

小さな緑色の実は『センダン』の実。
果実は漢方薬にも使われ、葉は防虫、除虫効果があると言われています。
かつては農家で除虫のために使用されていたそうです。
またこの『センダン』の実には、近年、
インフルエンザウィルスを死滅させる成分が含まれていることが証明され、
製品化に向けて今も研究が進められているそうです。

やっぱり昔の人ってすごいなぁ。
分かってるもんね。
どの植物にどんな作用があるかとか。

実験とか、研究とかしなくても。

旧暦の8月15日の、今日の月が一番美しくて、見上げやすいとか。

池の水面に映る月を愛でるとか。
粋ですね。

ビルの谷間にのぞく月でも。
窓のガラスに映る月でも。
昔と変わらず優しく静かに。
こんな世界を照らしてくれています。

月の光に感謝と希望。

皆様、粋で素敵な秋の夜長を。






2011年9月7日水曜日

月桃の祈り。




『月桃』と書いて、『ゲットウ』。
写真上段の右側。
緑色で房になってぶら下がっているのが『ゲットウ』の実。
熟すと写真下段のようにオレンジ色になってきます。

『ゲットウ』は、その葉に独特の香りがあるので、
アロマオイルに使われたり、お茶にして飲まれたり。
防虫や消臭効果もあるとされているので、
乾燥した葉を袋に詰めて、虫除けに使われたりしています。

沖縄の、『ゲットウ』の葉でくるんで蒸した「ムーチー」というお餅のお菓子。
私はテレビでしか見たことがないのですが、
健康と長寿を祈願して、
旧暦の12月8日に「ムーチー」を食べる習わしがあるそうです。
沖縄のアイスで有名なブルーシールアイスには、
『ゲットウ』フレーバーなるものがあるらしい。。。ほんと?

沖縄の食文化には『ゲットウ』はとても馴染みのある植物なんですね。
今度行ったら、「ムーチー」も「ゲットウアイス」も食べてみたい!
ていうか、沖縄行きたい!

夏っぽいこと1つもせずに、今年の夏も過ぎ去ろうとしています
夏は苦手だけれど、終わりに近づくとそれはそれで少し寂しかったり。


今日の京都は湿度も低く、とても過ごしやすい1日でした。
まさに台風一過の清々しく晴れた空で。
だけど、甚大な爪痕を残していったあの台風。

秋の気配を感じる空に、今日はたくさんお祈りを。
「ムーチー」を食べる日でもないし、「ムーチー」すら無いけど。
月桃に思いを乗せて。
健康と1日でも早い回復を祈っています。





2011年9月3日土曜日

毒があろうと無かろうと。




台風の土曜日。
強風におののきながらも、
すごい速さで流れる雲を見るのが好き。
まぁまぁ大人になるまで、「台風一過」を「台風一家」だと思っていた私です。

さて、今日のお花は『ヤマゴボウ』。
ピンクの軸になる緑の実。
嘘みたいな自然色。
熟すと緑から深い紫色に変わります。
そのコントラストがとてもキレイで、『ヤマゴボウ』だけですでにアート。

正式名は『ヨウシュヤマゴボウ』『洋種山牛蒡』。
身近な雑草として、山や河原だけでなく、
街の空き地などでもよく見かけます。

だけど、毒性が強いので、要注意。
野生の動物たちもこの実はちゃんと避けるそうです。
なのにアメリカでは昔、安いワインの色付けに使われていたんだって。
着色料に使われるほどの果汁を含んでいるので、
服や手に付いたらなかなか落ちません。
そちらの方も要注意。

毒性があるのと同時に、薬理作用のある物質も含まれているので
今も研究が進められているそうです。

毒と薬は紙一重。

良くないと思っていたものが実はとてもいいものだったり。
いいものだと信じていたものが実は良くないものだったり。
後者の方がショックは大きいけれど。

長年苦しめられた、原因不明のじんましん。
肌にいいと信じて使っていた某お茶石けんが
関係していたかもしれないまさかの事実。
去年にまとめ買いしたものをずっと使ってたんだけど。
もしやと思い、使うの止めたら治まってきた。
因果関係はまだはっきり分かりませんが。
もしそうなら、まさに毒と薬は紙一重。
(石けん、今のはちゃんと改良されて大丈夫らしいのでご安心を。)



毒があろうと無かろうと。
魅力的な花や人には。
独特の色があって、味があって、パワーがあります。
私を惹き付けてやまない何かが。
私の心に引っかかった何か。
それは毒かもしれないし、薬かもしれない。
どちらでもないものは、引っかかることもなく。

誰かの心に引っかかる、そんなお花を作りたい。


それにしてもすごい風。
にぎやかな「台風一家」が通り過ぎるまで、皆様充分お気をつけ下さいませ。