2013年9月29日日曜日

表裏一体。




今いるこの場所から夜空を見上げると、
日によって、時間によって、お月様の大きさが違います。
空高くにある時は小さく、地上近くにある時は大きく。
明らかに大きさに変化があるように見えますが、
全て人間の目の錯覚。
人間の脳がそうさせているそうです。

見上げた月は、腕を伸ばして持った5円玉の穴とほぼ同じ。
地平線近くにある月も、実際は5円玉の穴に全てが収まってしまいます。
収まりそうにもないほど大きく見えるのに。

まん丸だと思っていたけど、厳密にはわずかに洋梨型。
裏側の方が実は輝いていたりして。

表側しか見たことないから。
同じ角度からしか見たことないから。
裏だと思っている方が実は表かもしれないし。

きっと、多分、絶対。
そうだという思い込み。
それは時に人を強くもするし、足を掬われることもある。
足を掬われてひっくり返ったら、そのままごろんと空を見上げようと思います。
きっと多分絶対、今までとはまた違う月の見え方が。
5円玉の穴にすっぽり収まるほど、簡単ではないかもしれないけれど。
どっちが裏か表かなんて、その人が決めればいい。

きっと、多分、絶対。
そうやって少しずつ強くなっていくのかも。
などと考えたりする秋の夜長。



川のうねりにのみ込まれた街を、静かに満月が照らしていました。
自然の怖さと美しさ。
その表裏一体を身近で感じた、そんな9月も明日で終わりです。

台風18号による被害を受けられた皆様に、謹んで心よりお見舞い申し上げます。